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コラム

平屋への増築はできる? コスト高か?

2022.08.16

(概要)

平屋建ての家を増築して2階建てにする必要が出た場合、その工事や費用はどうなるのでしょう。今回は、平屋建てから2階建てへの増築についてお話ししたいとおもいます。

 

(本文)

平屋建てを増築する際の注意点

平屋建てを増築して2階建てにする。その理由はさまざまです。

 

まず平屋建ての家を建て、家族が増え子ども部屋の必要が出てきたら増築して2階建てにする、そうした計画を立て、その時が来たので平屋建てを2階建てに増改築する、という方もいらっしゃいますし、子ども世代との同居を考えて2階建てにするというご家庭もあります。

 

時折、「平屋建ての家を増築して2階建てにしたいとおもいますが、そんなことできるでしょうか」というご質問を受けることがあります。

答えは「はい、お任せください」ですが、ただ、平屋建てを2階建てにするには、さまざまな点で注意が必要になります。

 

一つのサイコロの上に、もう一つサイコロを置いた状態をイメージしてください。

下のサイコロに上のサイコロの重さがかかりますね。平屋を2階建てにする際には、すでにある平屋部分の基礎、また、柱や梁など躯体部分に大きな負荷がかかることになります。

 

平屋建てを2階建てにする際には、この負荷に耐えられる強さを持たせ、地震等に対する備えを施さなければなりません。この基礎や躯体の補強には費用も手間もかかります。

 

また、既存部分と新しい増築部分をつなぐには、2階建ての家を新築する以上の技術力が必要になります。もちろん家の構造計算も綿密に行う必要があります。「平屋建てを2階建てに」とお考えであれば、設計施工会社選びを慎重に行わなければなりません。

 

工事現場で設計図面にはない判断を求められることもありますので、経験に富んだ、優秀な技術者も欠かすことはできません。たとえば、古い木材と新しい木材をつなぐのは、高度な技術が必要になるのです。

 

どのような工事になるか

平屋建てを2建てにする際には、どのような工事になるのでしょう?

 

家は築年数、構造、部材など、それぞれの家によって状況が異なりますから、一概に「こうした工事になる」ということはできませんが、ある事例をもとに基礎的な部分をお話ししたいとおもいます。

 

いずれは2階建てにすることをお考えになって、設計上もその点を考慮した家屋の例です。

 

平屋部分の基礎・躯体とも2階建てに耐えられるように作られています。この場合、1階部分は現状のまま活かし、屋根を解体してその上に2階部分を作ることになります。重機で家を取り壊すのとは違いますから、人の手による慎重な作業になります。

 

屋根の解体が終了したなら、次は2階部分の床を作ります。土台伏せという作業で、時間のかかる作業です。既存の梁に耐力上必要となる梁を足し、その上に構造用合板を敷いていきます。

ただ、年月の経過にともない、既存部分の梁などにはたわみ・縮みなどが出ていますから、水平を計りながら、木材を削ったり、スペーサーを入れるなどの微調整を行いながらの作業になります。

 

また、平屋建てを2階建てにするためには「通し柱」を入れなくてはなりません。建築基準法によって、2階建ての建築物には通し柱が必要とされているからです。

家の四隅に新たに基礎を設け、既存の建物を囲うようなかたちで通し柱を建てることになります。通し柱と既存の建物の柱をボルトで緊結し、強度を高めます。

 

以上、平屋建てを2階建てにする際の工事のごく基礎的な部分をお話ししました。しかし、この部分だけでも、平屋建てから2階建てへの増築に高い技術力が必要なことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 

費用について

では、平屋建てを2階建てにするためにかかる費用はどのくらいなのでしょう?

 

これも一概にはお答えすることは「難しい」と言わざるを得ません。どのような家をお望みかによって費用が違ってくるからです。ただ、ぜいたくな部材を使う、凝った作りにする、ということでなければ、新築よりは安くなると言えるかもしれません。

 

また、2階建てにすることを見越した平屋建てなのか、そうではないのかによっても大きく違ってきます。この点は、ぜひご相談いただければとおもいます。

 

現在、平屋建ての新築をお考えであれば、将来の増改築も見込んだ設計になさることをおすすめします。

 

たとえば、現在はご夫婦と小さいお子さんが一人ということであれば、その家族数に合わせたコンパクトな平屋建てする。ただし将来、増改築が容易に行えるよう基礎・躯体部分に強度を持たせておくということです。将来、増改築が必要になることも考慮した家づくりは、賢明な家づくりと言えるでしょう。