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コラム

坪単価だけで家の値段を計算してはいけない!

2023.05.08

家を建てたい!マイホームが欲しい!と思ったときにぶつかる大きな問題といえば、お金のことでしょうか。だいたい何円くらいの家なら大丈夫かなぁ。なんてイメージしながらチラシなどを見ている人が多いと思います。

 

しかし、ついつい「坪単価」ばかり注目していませんか?坪単価はもちろん、判断材料のひとつですが、坪単価で単純に家の値段を計算するのはやめてください。家を建てるには、いろんなお金がかかってくるんです。今回は、家にかかるお金にどんなものがあるのかを紹介します。

 

そもそも、坪単価とは?

「坪単価」という言葉は、聞いたことがあっても、深く意味まで理解している人はそうそういないのでは?そこで、まず坪単価について説明します。

 

坪単価は、家本体の一坪(畳2枚分)あたりの値段のことをいいます。「床面積(坪数)×坪単価」で家の値段が決まっています。ただ、坪単価で計算した値だけでマイホームをゲットできるというわけではないので要注意!

 

たとえば、坪単価は30万円で広さは35坪だから、1050万円で家を買える!というのは間違った考え方といえます。実は、坪単価から計算した金額の中には、含まれていない費用があって、家を建てるときにはいろいろなお金が必要なんです。

 

このことを知っていないと、予想外の追加料金を求められたりして困惑してしまう可能性も。これから紹介する内容をチェックして、ご自分の家づくりを始めるときには、住宅会社の人に質問しながら進めましょう。

 

本体価格に含まれないオプション価格

住宅会社のチラシを見たとき、「本当にチラシの金額だけでいいの?」「こんなに立派な家が、この金額で建てられるの!?」なんて思う人もいるでしょうが、その感覚は正しいかもしれません。なぜなら、チラシで大きく表示されている金額は「オプション料金」が含まれていない本体価格であることが多いからです。

 

オプション料金は、本体価格に含まれている設備以外に追加したものにかかるお金のこと。照明や家電を設置するほか、おしゃれな壁紙にランクアップさせるとか、住宅会社が設定している基本設備以上のものを求めたときに発生します。

 

本体料金とオプション料金の線引きは住宅会社によって違うのがややこしいところ。住宅会社のなかには、本体価格の中にすでに照明などいろんな物を含んでいる会社があれば、本体価格を安く見せるために最低限の設備しか本体価格に盛り込んでいない会社もあります。なので、チラシの値段が安いからと住宅会社を選んでも、結局いろんな費用を支払うことになる場合があるんです。

 

オプション料金の具体例

・おしゃれな玄関ドア

・階段下収納

・キッチンの吊り戸棚の追加

・キッチンの換気扇

・カーテンレール

・冬のコンクリート養生費

 

予算的に厳しいとき、「おしゃれな玄関ドア」は我慢できても、「キッチンの換気扇」や「カーテンレール」はないと困るもの。こういった必要不可欠な要素は、本体価格に含まれていなくても、支払わざるをえません。出せる金額には限度があるので、理想の暮らしに必要なものに優先順位をつけて、考えていくしかないのです。

 

また、オプションに含まれるのは、形のあるものだけではありません。「資材搬入費」など、目に見えないサービスにもお金がかかるケースがあります。あなたが望んでいないものでも、気候や土地の条件でお金が必要になるかもしれません。

 

つまり、いくつかの住宅会社を検討する場合、本体価格の高い安いで検討するのではなく、総額で高いかどうかで見てみるのが重要になってきます。住宅会社のなかには、最低限必要な設備でさえ本体価格に含まないで、多くをオプション扱いして金額を増やそうとするところがあります。そうしておけば、広告に載せる本体価格を安くできるからです。もちろん、良心的な価格設定をしている会社もたくさんあるのでご安心ください。

 

どこまでの作業や設備が本体価格に含まれているのかをきちんと把握するためにも、疑問に思ったことは気軽に住宅会社の人に相談してみましょう。良心的な会社なら丁寧に答えてくれるでしょうし、威圧的にオプション追加を勧めてくるような会社ならお断りして、別の住宅会社を探した方がいいかもしれません。

 

総合住宅展示場はオプションが付けられている

住宅展示場のオシャレな建物に魅了される人が多数います。ただ、ここで覚えておいてほしいことがあります。それは、「総合住宅展示場の家は標準仕様ではない」ということ。つまり、最大限のオプションを活用して建てられてものがほとんどなんです。

 

これはある意味仕方のないことで、住宅会社がお客さまの興味をひくために、パッと見の印象を重視した住宅を展示するケースが多いからです。だからといって、あなたが家作りを妥協する必要はありません。豪華な住宅に惑わされないように、住宅会社の人に次の質問をしてみましょう。

 

「モデルハウスのどの設備が標準仕様で、どの設備がオプションですか?」「オプションを盛り込んだモデルハウスの坪単価と標準仕様で建てる家の坪単価は?」と質問するのです。これで、どこまでが本体価格でどこからがオプション価格なのかを把握することができます。もし、可能なら標準仕様で建てた家を見せてもらうといいですね。そうすると、より標準仕様のレベルを知ることができます。

 

簡単に答えられる営業マンがいれば、答えられない営業マンもいるかもしれません。でも、そのときの接客態度から営業マンや住宅会社の雰囲気などがわかるものです。気になることがあったら、住宅会社の人に質問してみましょう。

 

まだまだある!家づくりに必要な費用

さきほど紹介した坪単価、本体価格、オプション料金は「家」にかかるお金ですが、ほかに「家作り」にかかるお金もあります。たとえば、税金、付帯工事費、諸経費などなど。たくさんありますが、これらは家を建てるためには必要なお金なんです。

 

税金

家を建てるときには、工事代金にかかる「消費税」、さまざまな契約書に貼る「契約印紙税」、新築した家を登記するときにかかる「登録免許税」。家が完成してからは、家を取得したときにかかる「不動産取得税」、毎年かかる「固定資産税・都市計画税」を支払わないといけません。

 

今は消費税が8%ですが、10%に引き上げられると工事代金にかかる消費税も増えるため、金額が大幅に変わります。また、作成する契約書はひとつではなく、「不動産売買契約書」「工事請負契約書」「金銭消費貸借契約書」の3種を各2通ずつ用意するため契約印紙税が意外とかさむんです。ただ、不動産取得税については軽減措置があるため、ゼロになることも。住宅会社の人に相談してみましょう。

 

付帯工事

「付帯工事」とは、家本体の工事以外にかかる工事のこと。こう説明すると、「家の工事以外の工事って何?」と思う人も多いのですが、付帯工事は直接的に家を作る工事ではないものの、家で暮らしていくためには必要なものです。

 

電気やガスを引き込んだり、地盤を改良したり、住める環境を作っていきます。具体的にいえば、電気を使えるようにする「屋外電気工事費」、「冷暖房・換気工事費」、道路から玄関まで土地や駐車場を整備する「外構・造園工事費」、敷地から水道本管・ガス本管まで地下で管を繋げる「屋外給排水工事・ガス管工事」、土地改良をするための「地盤補強・地盤改良工事費」などなど……。

 

こういった付帯工事にかかる費用の相場は、建物代全体の15~20%と考えられています。出費にはなりますが、ライフラインを確保したり、安全に暮らしたりするためには大切なものばかりです。家の工事のほかに、環境を整える工事があることを頭に置いておきましょうね。

 

住宅ローン

「住宅ローン」と聞くと、お金を借りてお金を返すものというイメージが強いと思います。しかし、それだけじゃありません。そもそも、ローンを組むためにお金が必要なんです。借りたお金(元金)と金利はもちろん、「保証料」「事務手数料」「団信保険料」「登録免許税」「印紙税」「繰上返済手数料」などのお金を求められます。

 

保証料は、あなたが住宅ローンの返済ができなくなった場合、あなたの代わりに保証会社に住宅ローンを肩代わりしてもらうために払うお金です。住宅ローンをきちんと支払ってもらうための保険というイメージです。

 

印紙税は、さきほど家を作るための契約書に必要と説明しましたが、住宅ローンを組むための契約書にも必要です。そのほか、抵当権の設定登記の際には、登録免許税が必要ですし、家を作るためだけでなくローンのために費用がかかるんです。さらに、手続き代行を司法書士に依頼する場合は、代行費用も必要になります。

 

設計料

設計料は、会社によって無料の場合と有料の場合があります。ざっくり言うと、展示場や見学会会場で営業マンが間取り図を手書きで描く程度なら無料で、家を建てるために構造や予算などを踏まえてパソコンや製図板を使って製図する場合は有料といった具合に分けられます。

 

作業が発生する以上、基本的に有料と思っておいたほうがいいでしょう。「設計契約」は工事の本契約の前に別枠で支払ケースがあれば、本契約のなかに設計料などの項目として金額が含まれているケースがあります。

 

金額は会社によって違いますが、工務店の場合は本契約の2~5%を目安と考えるといいでしょう。ハウスメーカーは、間取りなどの多くがパターン化されているため、設計にそこまで労力を割いていないことが多いのですが、それでも設計料は営業戦略として利用されていることがあります。お客さまによって設計料を高くしたり安くしたり、営業さん次第なところも否定できません。設計事務所の場合は、設計料は担当する建築士の知名度やデザインによって大きく変わります。

 

確認申請許可費用

家を作るための許可申請費です。また、建築中に事故や火災が起こったときのための保険が必要になります。目安として80万程度を予算に組み込んでおきましょう。

 

諸経費・雑費

諸経費は、住宅会社や金融機関や税金以外に支払うお金で、その金額はご家庭によって幅があります。今回は、一般的な項目をいくつか紹介します。

 

・地鎮祭費用

地鎮祭は、地域や神社によって費用は異なりますが、神主への玉串料、テントなどの設備レンタル費、お供えの品代などの費用が必要です。ざっくりですが1万円~5万円くらいかかるといわれています。

 

・上棟式費用

上棟式の費用は、地域や施工会社によって変わります。お祓いの費用、大工さんへのお弁当代、お祝儀、引き出物などだいたい5万円~15万円くらいと考えておいてください。

 

・引っ越し代

荷物の量や移動する距離によって金額は違いますが、同じ市区内で2LDK程度のアパートから戸建てに引っ越すなら、荷物が少ない人で8~10万円。荷物が多い人や長距離の移動をする人なら20万円を超えるケースもあります。

 

・家具などのインテリア代

本体価格やオプション料金に含まれていない家具や家電などで、必要なものは新しく購入しなくてはなりません。照明、テレビ、冷蔵庫、ソファ、ベッド……大型の家具や家電。さらに、ゴミ箱や壁掛け時計などの小さな家具も揃えたくなるものです。でも、小さなものでも積もれば結構な金額になります。5万円~15万円程度は必要と考えておきましょう。

 

住宅の値段の考え方

住宅広告の価格表示には明確なルールはありません。どこまでの設備を本体価格に含むか含まないかは住宅会社によって違ってきます。なので、チラシだけでは実際にかかる費用の総額を判断できません。坪単価を見ただけで「この住宅会社なら安く家を建てられそう!」と考えていると、最終的にたくさんオプション料をとられて予算から大幅にオーバー。なんてことになる可能性があるわけです。

 

さらに、税金、ローンを組むのに必要なお金、いろいろな諸経費など、チラシには書いていないお金の項目があります。予算を考えるときは坪単価だけで計算するのではなく、すべての項目の支払金額を合計して考えるようにしてくださいね。

 

そして、チラシなどの広告だけでは、実際にいくら必要なのかが見えづらいと思いますので、広告の価格は参考程度にして住宅展示場や見学会に行ってみましょう!そのときは、疑問がでてきたら担当者に伝えるようにしてください。マイホームは決して安い買い物ではありません。分からないまま話を進めると失敗して後悔してしまいます。どんなに小さな「?」も早めに解決しておくのがベスト。どんどん住宅会社の人に質問してみてくださいね。