コラム
資金計画：ローン・補助金・税制の基礎
住宅購入では、住宅ローンの組み方や補助金・税制優遇の活用によって、総支出額が大きく変わります。今回は資金計画の基本と、見積もりを公平に比較する方法を解説します。
資金計画で押さえておきたい3つのポイント
1.返済負担率
家計に無理のない返済比率を先に決めましょう。一般的には年収の25〜30％以内が目安です。
2.金利タイプ
固定金利・変動金利・フラット35など、それぞれの特徴をライフプランと照らし合わせて選びます。
3.長期優良住宅・ZEH（ゼロエネルギーハウス）
税制優遇や補助金の対象になる可能性があります。長期優良住宅の認定には耐震等級2以上（2025年4月より暫定措置廃止）などの要件があり、要件は年度によって変わるため、最新情報の確認が必要です。
【優先順位】金利→ランニングコスト（光熱費・保守費→初期費用の順で最適化すると効率的です。
「これ以上かからない総額表」の作り方
初回見積もり段階から、外構費・付帯工事費・諸費用を表に組み込み、後出し不可のルールで管理します。
列の設計例
| 本体 | 付帯 | 外構 | 諸費 | 除外項目 | 別途工事 |
|---|---|---|---|---|---|
| 金額 | 金額 | 金額 | 金額 | 項目 | 項目 |
付帯：地盤/造成/配管/仮設
外構：駐車/フェンス/植栽
諸費：設計/申請/登記/保険/引越
金額確定の節目
・基本設計完了時
・実施設計完了時
・着工前
各段階で金額をロックすることで、上振れゼロに近い運用が可能です。
見積比較の正攻法は「仕様合わせ」
値引き交渉よりも、仕様を揃えて比較することが最も合理的で安全です。
正しい比較手順
1.RFP（依頼条件書）を作成
UA値、C値、窓の仕様、耐震等級など必須条件を固定します。
2.項目・数量・単価を同条件に
各社の見積もりを同じフォーマットで整理します。
3.「別途」「除外」は赤字で明記
後から「含まれていません」と言われないよう、最初から明確にします。
「同じものを同じ条件で買う」状態を作れば、相場は自然に適正化されます。
RFPで公平な比較を実現
RFP（依頼書）を用意すると、各社の見積もりが比較可能な形になります。
記載内容の例
・性能値：UA値、C値、耐震等級
・仕様：窓（樹脂サッシ、トリプルガラス）、空調方式
・保証：構造、雨漏り、設備の保証内容
・定期点検：期間・内容
・図面：配置図、平面図、断面図、設備図
・工期・支払条件
これがあれば、価格差＝仕様差として説明でき、納得して契約に進むことができます。
次回は・・・
次回は「リスクと落とし穴の回避策」。見積確定後のトラブルを防ぐための、実践的な対策をまとめます。
その7へ続きます
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