コラム
「小屋裏エアコンにVer.3があるって聞いたけど、今までと何が違うの?」「せっかく建てるなら最新の方式にしたいけど、うちの工務店で対応できるの?」——小屋裏エアコンの基本を調べ終えた方から、当社が次にいただくのがこの質問です。
御在所岳の麓・菰野町も、盆地の伊賀・名張も、三重の夏は湿気が主役です。夜9時を過ぎても2階の子ども部屋はムワッと暑く、寝かしつけの前に各部屋のエアコンを順番に付けて回る——そんな毎晩から抜け出したくて「全館冷房」にたどり着いた方も多いはずです。
この記事では、高断熱住宅設計の第一人者・松尾和也氏(松尾設計室)が改良を重ねてきた「松尾式小屋裏エアコン」の最新形=Ver.3について、Ver.1からの進化の歴史、26℃・湿度50%以下を狙える除湿の仕組み、そして見落とされがちなメンテナンス性の革新までを、図解と出典付きで徹底解説します。
この記事でわかること
- 松尾式小屋裏エアコンVer.1→Ver.2→Ver.3の進化の全体像
- Ver.3の3大特徴(空気清浄一体化・湿度50%・セルフメンテナンス)
- なぜ「エアコン1台に集約」すると湿度が下がるのか(図解)
- Ver.3を成立させる家の性能条件と、工務店選びのポイント
松尾式小屋裏エアコンVer.3とは?
ひとことで言うと「空気清浄一体型の全館冷房」
松尾式小屋裏エアコンVer.3とは、屋根裏に設置した市販の壁掛けエアコン1台で家全体を冷やす「小屋裏エアコン」の最新改良版で、最大の特徴は電気集塵式空気清浄ユニット(トルネックス)をシステムに組み込んだことです。外から入る空気(給気)と、家の中を循環して戻ってくる空気(リターン)の両方が、エアコンに届く前に空気清浄機を通過します。(出典:松尾和也氏連載「小屋裏エアコンの導入と改良」トルネックス)

これにより、Ver.3は「冷やす・除湿する」だけだった従来の全館冷房に、「家中の空気を1台でまるごと清浄する」機能が加わりました。花粉・PM2.5・ホコリを含んだ空気がエアコンに入らないため、各部屋に空気清浄機を置く必要がなくなり、エアコン内部も汚れにくくなります。(出典:同連載)
開発者の松尾氏自身が対談で「各部屋の空気も外から入ってくる空気も、一旦全部1台の空気清浄機で綺麗にしてから配分する」と説明しているとおり、Ver.3は冷房・除湿・換気・空気清浄を1か所に集約した、いわば「家の肺」をつくる方式です。(出典:小栗材木店・松尾和也氏対談)
Ver.1→Ver.2→Ver.3の進化の歴史
課題をひとつずつ潰してきた15年
松尾式小屋裏エアコンは、2010年頃のVer.1から約15年かけて改良されてきました。進化の歴史を知ると、Ver.3が「流行りの新商品」ではなく「現場の失敗と改善の積み重ね」であることがわかります。(出典:松尾和也氏連載「小屋裏エアコンの導入と改良」トルネックス)

Ver.2までで「1台で家全体を冷やす」形は完成していました。Ver.3の開発目標は、その先にあった3つの積み残し——①除湿性能の限界(松尾氏の目標は「26℃でも50%くらいまで下げたい」)、②エアコン内部の汚れとカビ、③全国で報告されていたガス漏れ・漏水トラブル——を同時に解決することでした。(出典:同連載、小栗材木店対談)
Ver.3の3大特徴を徹底解説
特徴1|空気清浄の一体化:家中の空気が「二重の関所」を通る
Ver.3では、電気集塵式の空気清浄ユニットが空気の入口(給気側)と循環経路(リターン側)の両方に入ります。外から入る花粉やPM2.5は入口で捕まえ、家の中を回ってきた空気はもう一度きれいにしてからエアコンへ——という二重の関所です。

この構造のメリットは空気がきれいになることだけではありません。エアコンの効きが悪くなる最大の原因は内部の汚れです。吸い込む空気そのものが常にきれいなVer.3では、エアコン内部にほとんどゴミが入らないため、10年後も冷房・除湿能力が落ちにくいのです(出典:トルネックス連載)。「各部屋に空気清浄機を買って置く」費用と騒音・置き場所の問題も同時に解決します。
ユニットの中身は3層構造です。まずステンレスメッシュのプレフィルタが大きなホコリを受け、次に心臓部の電子式集塵フィルタが微細な粉塵を電気の力で捕まえ、最後にカーボンハニカムのアフターフィルタが臭いを吸着します。電子式集塵は「目詰まりしにくいのに粉塵をしっかり捕集する」のが特徴で、消費電力は約13Wと常時運転でも電気代の負担がごく小さいのもポイントです。(出典:トルネックス「小屋裏エアコンVer.3専用 電子式全館空気清浄ユニット」資料)
空気清浄機としての実力は?
——カビ97%除去・ウイルス99%減少の試験データ
「換気のおまけの空気清浄でしょう?」と思われがちですが、フィルタ性能の試験データを見ると印象が変わります。浮遊カビの除去性能試験では約97%の除去を確認(千葉大学真菌医学研究センター・矢口貴志教授監修にて試験実施)、浮遊ウイルスの除去性能試験では作動により99%減少という結果が出ています(いずれもフィルタ単体での評価試験。出典:同資料)。梅雨のカビ、冬のウイルス——湿度管理とあわせて、家族の健康を空気の面から支える性能です。
据置型の高級空気清浄機(エアドッグ等)と比べてどう違う?
「エアドッグを買おうと思っていた」というお客様が多いので、据置型の代表格Airdog X5Dの公表スペックと比較してみます。
| 据置型 (Airdog X5Dの例) | Ver.3の全館空気清浄 (トルネックス) | |
|---|---|---|
| カバー範囲 | 置いた部屋(適⽤床⾯積24畳) | 家全体+外から⼊る空気も(⾵量600m³/h以上・約78畳相当) |
| 必要台数 | 部屋ごとに1台 | 家に1台(換気・空調と⼀体) |
| 外気の花粉・PM2.5 | 部屋に⼊ってから捕集 | 家に⼊る前に給気側で捕集 |
| 居住空間への影響 | 各部屋に設置スペースと運転⾳ | ⼩屋裏設置で⾳も場所も気にならない |
| フィルタ | 洗って再利⽤可 | 洗って再利⽤・買い替え不要(フィルタ費0円) |
| 費⽤感 | 1台約14.6万円×部屋数(3部屋なら約44万円) | ユニット⼀式(約19.5万円相当)が建物価格に標準込み |
※価格・仕様は当社調べ(2026年6月時点の実勢・公表値)。変動する可能性があります。
誤解のないように言うと、Airdogは据置型として優れた製品ですし、「フィルタを洗って使う」という思想はトルネックスと共通です。違いの本質は、部屋ごとに置く「家電」か、家に組み込む「建築設備」か。風量600m³/h以上のユニット1台が換気経路上で家全体をカバーするため、リビングにも寝室にも子ども部屋にも、1台ずつ買い足す必要がないのです。家電は引っ越せば持っていけますが、設備は家の価値そのものになる——注文住宅を建てるタイミングだからこそ選べる方式です。
特徴2|除湿性能:26℃で湿度50%以下を狙える
Ver.2までの積み残しは湿度でした。室温26℃までは冷えても、湿度を50%台まで安定して下げ切るのは難しく、「涼しいのに、なんとなくジメッとする」領域が残っていました。三重の梅雨明け、寝室でエアコンを付けているのに枕がしっとりする——あの感覚です。Ver.3では機種選定と空気経路の見直しにより、26℃・湿度50%以下を狙えるようになりました(出典:小栗材木店・松尾氏対談)。
ここで押さえたいのが「なぜエアコン1台に集約すると湿度が下がるのか」という理屈です。

エアコンの除湿は、熱交換器を冷媒で冷やし、そこに空気中の水分を結露させて排出する仕組みです。各部屋でエアコンを複数台動かすと、1台あたりの冷房負荷が小さくなりすぎ、冷媒の温度をそれほど下げる必要がなくなります。すると熱交換器で結露が起きにくくなり、温度は下がるのに湿度が残る——これが「設定温度になったのにジメジメする」正体です。(出典:トルネックス連載)
Ver.3は逆の発想で、家全体の冷房負荷を小さめ容量の1台に集中させます。エアコンは常にしっかり働き続け、冷媒温度は低く保たれ、除湿(潜熱処理)が止まりません。湿度50%以下の空気は、同じ26℃でも体感がまったく違います。汗がスッと引く、寝苦しくない、カビ・ダニが繁殖しにくい——湿度の話は、そのまま健康と家の耐久性の話でもあります。
実測データ:外の絶対湿度19gの日に室内9.6g(当社施工・津市の実例)
理屈だけでは信じにくい方のために、実測をお見せします。当社が三重県津市(芸濃)で施工したVer.3採用住宅を、住宅専門チャンネル「一歩先行く工務店チャンネル」が取材した動画です。
【YouTube|松尾式小屋裏エアコンVer3!湿度コントロールがミソ!(一歩先行く工務店チャンネル・当社施工宅を取材)】
9月3日の朝9時前、外気は31.5℃・湿度58%——絶対湿度にして約19g/m³という蒸し暑さ。同じ時刻の室内は22.3℃・湿度49%・絶対湿度9.6g/m³でした。「夏は16g以下」の快適ラインを大きく下回る数値です(※この日は工務店約50社・60人の見学会向けデモとして、あえて強めに除湿した運転です。実際の暮らしでここまで下げる必要はなく、下げられるということは狙った湿度に調整できるということです)。
実際の暮らしの運転では、26℃・湿度50%前後で安定しています。さらに当社の実測では、28℃という控えめな冷房設定でも湿度50%以下を保てた実績があります。「28℃でカラッと快適」——これは冷やして我慢する省エネではなく、湿度を制することで温度を下げすぎずに済む、というVer.3の価値がいちばん分かりやすく表れた数字だと考えています(当社実測。外気条件・暮らし方により変動します)。
この実例はUA値0.35(HEAT20 G2.5相当・EPS50mm外張り断熱+ジョリパット仕上げ)。吹き抜けのない間取りですが、1階リビングにも冷気用のガラリを設けることで、家全体を温度ムラなく冷やしています——「冷気の通り道は間取りごとに設計する」という成立条件を、実物で確認できる例です。なお、エアコンの機種は家ごとの冷房負荷計算で選定するため、実例によって家庭用壁掛け形・業務用ビルトイン形を使い分けています。
動画内でも触れられているとおり、大手ハウスメーカーの専用全館空調はおおむね200万〜300万円程度と言われます。汎用部材の組み合わせでそれを大きく下回るコストながら、湿度までコントロールできるのがこの方式の強みです。(出典:同動画)
※快適の判断基準を「絶対湿度(空気1m³あたりの水分グラム数)」で見る方法は、前々回の記事で解説しています。目安は夏16g/m³以下です。
【記事1「夏の室内湿度は何%が正解?ダニ・カビを防ぐ湿度管理」へ】
特徴3|メンテナンス性:ドライバー1本で「解体清掃」できる
Ver.3で意外と語られないのに実務上もっとも重要なのが、この点です。冷房を使う以上、エアコン内部の結露は避けられず、長期間使えばカビのリスクはゼロにできません。Ver.3では、ドライバーが使える人であれば、電気部品に触れることなくドレンパンやファンまで解体して清掃できる設計になっています。(出典:トルネックス連載、小栗材木店対談)
さらに、全国の高気密高断熱住宅で報告されていた「数年以内のエアコンガス漏れ」に対しても、相当数のリサーチからガス漏れ事例がほとんど聞かれない機種を選定するという、地味ながら確実な対策が取られています。夏場のドレン詰まりによる漏水にも、防水パン+漏水検知センサーという二段構えです。(出典:同連載)
全館冷房は「壊れたら家中が止まる」方式だからこそ、①壊れにくい機種を選ぶ、②汚れが入らない構造にする、③それでも汚れたら自分で掃除できる——という三段構えの思想は、これから20年30年住む家にとって大きな安心材料です。しかも心臓部は市販の壁掛けエアコン。交換費用は量販店のエアコン1台分で済みます。
Ver.3にも「成立条件」がある|性能不足の家では動かない
ここまで読むと「Ver.3にすれば安心」と思えますが、順番が逆です。Ver.3はあくまで高断熱・高気密という「器」の上で動くシステムであり、器の性能が不足した家に載せても冷えず、結露のリスクさえあります。
当社の代表が、松尾式の提唱者・松尾和也氏本人をお招きして「採用してから後悔しないための注意点6選」を対談動画で伺いました。検討中の方はぜひご覧ください。
松尾氏本人が語った「後悔しないための6つのチェックポイント」(動画要点)
1. エアコンは電気設備。バックアップの発想を持つ ——「エアコンって電気設備なんで、何年かに1回壊れる。バッファとして2台は必要」(松尾氏)。松尾式は夏=小屋裏・冬=床下の2台構成なので、この考え方がそもそも設計に組み込まれています。
2. 睡眠時は乾燥させすぎない ——除湿力の高いVer.3だからこその注意点。寝ている間は唾液しか喉を潤すものがなく、特に口呼吸の方は乾燥の影響が出やすいそうです。起きている時間は「カラッと」、寝る時間は「ほどほど」。ご夫婦が快適な温湿度を一度つかめば、あとは難しい操作は要りません。
3. 工務店の「受講回数」と「施工実績」を見る ——松尾氏の技術指導を受けた会社はリストで公開されており、「受講回数が4回5回になっている会社で不真面目な会社は見たことがない」(松尾氏)。受講回数と施工棟数が見極めの2大基準です。
4. 最新情報を定量的に判断している会社か ——省エネ機器や電気代の契約は猛スピードで変化しています。営業トークの印象ではなく、実測・比較計算で判断している工務店は少数派、というのが工務店指導を続ける松尾氏の実感です。
5. 「チェックリストを見せてください」と言ってみる ——住宅業界にはチェックリストが無い会社の方が多いのが実情。「今見せてくださいと言って、次の打ち合わせでと言われた時点でその会社は避けた方がいい」(松尾氏)。5〜10分で出せるかどうかが試金石です。
6. 決めた後は信頼して任せる ——会社選びまでは厳しく、決めたら担当者が気持ちよく仕事できる関係を。「猜疑心バリバリで臨むと、だいたい家づくりは失敗します」(松尾氏)。家づくりの8〜9割は会社選びと、その後の関係性で決まります。
当社の受講歴・施工実績・工程チェックリストは、菰野モデルハウスの見学時にそのままお見せしています。【要確認:受講回数・施工実績の数値を記載するか社内判断】
基本の成立条件(断熱等級6以上・C値1.0以下・屋根断熱の強化・冷気の通り道の設計・冷房負荷/風量計算)は前回記事のとおりです。断熱グレードで言うと、HEAT20のG2(おおむね断熱等級6・6地域でUA値0.46程度)が最低ラインで、推奨範囲はG2〜G2.5(UA値0.46〜0.34程度)。そのうえで、26℃・湿度50%というVer.3水準の快適性を猛暑日でも安定して狙うなら、器の性能にはさらに余裕を持たせるべきというのが当社の考えです。当社の施工実績は断熱等級7・UA値0.26・C値0.24(実測平均)クラス。この余裕が、猛暑日や梅雨どきの「あと一歩」の差になります。
なお、この「湿気を家に入る前に処理し、空気清浄と一体化する」という考え方は、いま住宅業界全体が向かっている方向でもあります。2026年7月には積水ハウスとパナソニックが共同開発の除湿型熱交換換気システム「SMART-ECS SARAWEL(サラウェル)」を発表しました(2026年8月3日発売。出典:積水ハウス・パナソニック ニュースリリース 2026年7月8日)。
大手の新システム「SARAWEL」と松尾式Ver.3はどう違う?
「大手が出したものと何が違うの?」と聞かれることが増えたので、発表情報をもとに公平に整理します。
| SMART-ECS SARAWEL | 松尾式Ver.3 (+当社のDESICAX) | |
|---|---|---|
| 正体 | 除湿・熱交換換気・空気清浄を⼀体化した専⽤の換気システム(2026年8⽉発売の新製品) | 市販の壁掛けエアコン+汎⽤の電気集塵ユニットを「設計と計算」で組み合わせる⼿法(2010年から15年改良を重ねた公開メソッド) |
| 除湿の担い⼿ | 換気システム⾃体が除湿(定格除湿能⼒3.1kg/h・業界最⾼をうたう) | ⼩屋裏エアコン1台の連続運転による冷却除湿(+当社はDESICAXで給気側も除湿) |
| 冷房 | 別途の空調が担当 | 除湿と冷房を同じエアコン1台が担当 |
| 機器更新 | 専⽤システム(価格・更新費は⾮公表) | ⼼臓部は市販エアコン=交換は量販店1台分。電気集塵部は洗って再利⽤ |
| 空気清浄 | ビルトイン空気清浄「Air Me」と連携 | 電気集塵(トルネックス)を給気+リターンの⼆重に配置 |
両者は対立するものではなく、「外気の湿気を家に入る前に処理する」という同じ思想の、別のアプローチです。専用機で一体化したのがSARAWEL、汎用機と設計力で実現してきたのが松尾式——と捉えるのが正確だと思います。
大手がこの方向に本格参入したこと自体が、湿度を主役にした家づくりの正しさの証明であり、当社はこの発想のシステムを以前から定額制の標準仕様として提供してきました。なお、SARAWELの実際の使い勝手や除湿方式の詳細は発売後の情報を待つ必要があるため、この比較は発表時点の公開情報に基づくものです。
「うちの間取り・予算でVer.3の全館冷房はできる?」
伊賀・名張・津エリアの気候に合わせた冷房計画の無料相談を受付中です。菰野モデルハウスは松尾式Ver.3を採用しており、実物の小屋裏エアコン・空気清浄ユニットの見学と、外と中の絶対湿度を測り比べる体感デモをご用意しています。
菰野モデルハウスは松尾式Ver.3採用|当社独自にデシカント換気をプラス
当社の菰野モデルハウス(DUAL HOME)は、松尾式小屋裏エアコンVer.3を採用しています。夏は小屋裏エアコン・冬は床下エアコンの季節使い分け、電気集塵式空気清浄(トルネックス)を給気とリターンの両方に組み込む二重の関所——この記事で解説してきた仕組みを、図解ではなく実物でご覧いただけます。小屋裏のエアコン本体も、床下エアコンの造作の中身も、見学時に開けてお見せしています。
さらに当社では、Ver.3に加えて独自に、デシカント換気システム(DESICAX)を24時間換気と組み合わせています。
ここで誤解のないように整理しておくと、デシカント換気は松尾式Ver.3の構成要素ではなく、除湿の原理もまったく別の技術です。エアコンの除湿が「熱交換器を冷やして水分を結露させる」冷却方式なのに対し、デシカントは「乾燥剤(吸着材)に湿気を吸わせる」方式。冷やさずに湿気だけを取れるのが最大の違いです。
| 松尾式Ver.3 (小屋裏エアコン) | デシカント換気 (DESICAX) | |
|---|---|---|
| 除湿の原理 | 冷やして結露させる (冷却除湿) | 乾燥剤に吸着させる (冷やさない除湿) |
| 主な担当 | 夏の冷房+除湿 (室内を循環する空気) | 換気・給気段階の湿気処理 |
| 得意な場⾯ | 猛暑⽇の全館冷房 | 梅⾬・中間期など「冷やしたくない⽇」の除湿 |
別の技術ですが、「温度より湿度を主役にする」「室温を下げすぎずにカラッとさせる」という目指すゴールは同じです。だからこそ、松尾式が構造上苦手とする"冷房を使うほど暑くない日の除湿"をデシカントが受け持つ、という補完関係が成立します。
冷えすぎが苦手な方と暑がりの方が同じ部屋で両方快適、という状態を狙えるのはこの組み合わせの強みです。エアコンを使わない中間期も送風運転で家中の空気が空気清浄ユニットを通り続けるため、一年を通じて「空気清浄機の内側に住む」状態が続きます。
まとめ|Ver.3は「冷やす機械」ではなく「空気をつくる設計思想」
松尾式小屋裏エアコンVer.3は、①空気清浄の一体化(給気+リターンの二重清浄)、②26℃・湿度50%以下を狙う除湿、③解体清掃できるメンテナンス性——の3点で従来の全館冷房を大きく更新した方式です。ただしその実力は、断熱・気密の器と冷房負荷・風量の計算があって初めて発揮されます。機種名ではなく「計算と実測で語れる工務店かどうか」で選ぶことが、Ver.3を検討するうえでの最重要ポイントです。
森大建地産株式会社(一級建築士事務所)は、三重県伊賀市で昭和45年創業。断熱等級7・UA値0.26・C値0.24クラス、耐震等級3の高性能住宅に松尾式小屋裏エアコンVer.3を採用し、当社独自にデシカント換気(DESICAX)を組み合わせて、菰野モデルハウスの温湿度・電気代の実測公開にも取り組んでいます。「三重の住宅を、世界基準に。」
- 対応エリア:伊賀市・名張市・津市を中心とした三重県内
- お電話: 0120-48-0336
営業時間・電話受付/【平日】AM10:00~PM4:00 【土日祝】AM10:00~PM6:00(年中無休)
下記お問合せフォームからもお申込みいただけます。
「ブログを見た」とお伝えいただければ、菰野モデルハウスで松尾式Ver.3の実物見学と絶対湿度の体感デモをご案内します。
まずは菰野モデルハウスで、外と中の「絶対湿度」の違いを1分だけ体感してみてください。見学のご予約は、フォームからご希望日を2つ添えてお送りいただくだけです。お子様連れ大歓迎、キッズスペースもご用意しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 小屋裏エアコンが壊れている間はどうなりますか?
A. エアコンは電気設備なので、何年かに一度の故障は起こり得る前提で設計します。松尾式は夏=小屋裏・冬=床下の2台構成のため、1台が不調でももう1台と換気システムでしのぐ余地があり、交換自体も市販エアコンなので短期間・低コストで済みます(出典:松尾和也氏×森社長対談動画)。
Q2. すでにVer.1やVer.2の小屋裏エアコンの家に住んでいます。Ver.3にできますか?
A. 空気清浄ユニットの後付けやエアコン更新時の機種変更など部分的な改善は検討できますが、空気の経路設計が根本的に異なるため、完全なVer.3化は新築時の設計が前提です。まずは現状の温湿度を測ることからご相談ください。
Q3. Ver.3の空気清浄ユニットのお手入れは大変ですか?
A. 電気集塵式は集塵部を洗って繰り返し使える方式で、紙フィルターのような定期交換費がかかりにくいのが特徴です。お手入れの頻度・方法は採用する機器の仕様によりますので、見学時に実物でご確認いただけます。
Q4. Ver.3なら、どの工務店で建てても同じ性能になりますか?
A. なりません。Ver.3は機器の名前ではなく設計手法です。断熱・気密の施工品質(C値は実測が必須)、冷房負荷計算、風量・経路設計のすべてが揃って初めて26℃・湿度50%を狙えます。「計算書と実測値を見せてください」の一言が、工務店選びの最良の質問です。
Q5. 冬はどうなりますか?
A. 夏は小屋裏エアコン、冬は床下エアコンの使い分けが松尾式の基本形です。冬は暖気が上にのぼる性質を利用し、床下から家全体を暖めます。季節ごとの専用機なので、1台を一年中酷使するより機器の寿命面でも有利です。